マイクロソフト、「Windows 8」を10月に発売か――ブルームバーグ報道
Bloombergが3月19日に報じたところによれば、米国Microsoftは今夏にも「Windows 8」を完成させる見込みだという。
コンピュータおよびタブレット・ベンダー(いわゆるOEM)は、2012年10月からWindows 8搭載のPCやタブレットを販売できるようになるだろう、とBloombergは書いている。
Windows 8オペレーティング・システムは、2つの方向性で展開される。従来のPCやビジネス向けスレートPCおよびタブレットなどに適したバージョンと、消費者対象タブレット用のARMチップベース(Windows on ARM:WOA)・バージョンの2種だ。
Bloombergは、匿名の“リリース・スケジュールに詳しい人物”から得た情報として報じているが、Microsoftは本件についてコメントを拒否している。
Windows 8が夏に完成する、あるいは10月から搭載製品が販売されるといった情報が流れても、読者はそれほど驚いていないだろう。同社は3年前の2009年にも、7月に「Windows 7」の開発を終え、10月にはPC新製品とともに同OSの一般販売を開始している。
アナリストらは、Windows 8のリリースは秋、それもおそらくは10月になると予想していた。これは、Windows 7の成功にならい、一方では「Windows Vista」の失敗を繰り返さないためだという。リリース時期が遅れ、2007年1月に出荷されたVistaは、2006年の年末商戦期を逃してしまったのである。
MicrosoftはWindows 8の発売日を明らかにしていないが、つい最近、今年中にはリリースされる予兆が見られた。
2月末にWindows 8のConsumer Preview版が提供されたが、これは同OSが2012年秋に発売されることを示唆するものと考えられる。
Windows 7のときは、開発者向けビルドの第1弾が2008年10月末に、パブリック・ベータが2009年1月に配布され、製品版は同年10月の第3週に小売店の棚に並んだ。
Windows 8のConsumer Preview版は2月末にリリースされており、Windows 7ベータ版の1月初旬よりカレンダー上ではおよそ7週間遅れたが、Developer Preview版のリリースはWindows 8が2011年9月半ば、Windows 7が2008年10月とほぼ一致している。
もっとも、10月の正式発売が決定事項だとは信じていないアナリストもいる。
ワシントン州カークランドに拠点を置き、Microsoftの動向のみを追いかけているリサーチ企業Directions on Microsoftのアナリストであるマイケル・チェリー(Michael Cherry)氏は、「現実的な話ではないと思う」と、19日付けの電子メールで語った。「Consumer Preview版はDeveloper Preview版を改善したものになっていたが、それでもまだまだ未完成な状態で、多くの機能が使いものにならなかった」(チェリー氏)
同氏がConsumer Preview版の問題としてあげたのは、MicrosoftのBluetooth対応キーボードとWindows 8搭載PCをリンクさせられない、「Metro」スタイルを採用した「Mail」アプリケーションが「Exchange」サーバにつながらないといった点である。
(Gregg Keizer/Computerworld米国版)