新社会人必須! 5大クラウドサービスを徹底的に使いこなすコツ
就職や入学により生活環境が大きく変わったり、新しい目標に向かって進み始める4月。パソコンやスマートフォンを新たに購入した人も多いだろう。今回はこれからクラウドサービスを活用する新社会人必須のサービスを紹介したい。
ビジネスパーソンに必須のクラウドサービスは、「Gmail」「Dropbox」「Evernote」「Googleカレンダー」「Googleリーダー」の5つだ。すでに利用している人も多いと思うが、各サービスを巧みに操るには“コツ”がいる。設定を少しだけ変えたり、アプリと連携したりすれば、各サービスが何倍も便利になる。
自分宛のメールはGmailで管理
Gmailを使うコツから見ていこう。Gmailを使って目指すのは、ビジネスとプライベートの全てのメールをGmail上で一括管理することだ。Gmailにメールを集約すれば、仕事の大切なメールを見落としたりすることがなくなる。検索しやすいのもGmailを使う理由だ。
複数のメールを集約するには、転送サービスを利用する。プライベートで使っているプロバイダーのメールなら、会員向けサイトを利用して受信したメールを即、Gmailへと転送するように設定する。会社のメールは、システム担当者などに頼み、Gmailへと転送してもらおう。ただし、会社によってはメールの転送を禁じている場合もあるので気をつけよう。
Gmailで会社やプロバイダーのメールアドレスを使う
Gmailを仕事で使うコツは、送信時のアドレスをGmailのもの(…@gmail.com)ではなく会社やプロバイダーのアドレスにすることだ。会社のメールアドレス宛に届いたメールに対し、Gmailのメールアドレスから返信しては、相手が誰から届いたものか分からない。
設定は簡単だ。Gmailの画面の右上にある「設定」の「アカウント」タブにある名前欄からメールアドレスを追加するだけだ。プロバイダーや会社の送信メールサーバー(SMTP)を設定すれば、プロバイダー経由でメールを送れる。
パソコン同様、スマホからも自宅や会社のメールアドレスからメールを送信しよう。こちらは端末によって操作が変わる。簡単なのはAndroidスマホだ。Gmailと同じグーグルがOSを開発しているだけあり、親和性が高い。Gmail上で追加したメールアドレスは、何も設定することなくAndroidから利用できる。
厄介なのはiPhoneだ。標準の「メール」アプリだと、返信時のメールアドレスがGmailのメールアドレスに変わってしまう。これを回避するには、「アカウントの追加」の「その他」からGmailを設定することだ。一度設定したあと、メールアドレスをプロバイダーや会社のメールアドレスに書き換えると、送信者(from欄)がGmailのメールアドレスではなくなり、メールをやり取りがスムーズになる(ただし、Gmailの送信サーバーを使うため、Gmailから送信した痕跡は残る)。
現在進行中のファイルはDropboxで管理!
2つめのクラウドサービスは、同期型オンラインストレージの「Dropbox」だ。専用ソフトを使ってMyDropboxフォルダーに保存したファイルを、Dropboxのサーバー上に自動的にアップロードできる。自宅と会社、2台のパソコンに専用ソフトをインストールすれば、互いのパソコンで作業したファイルをDropbox経由で同期できる。
作業中のファイルをDropboxに保存しておけば、ファイルをコピーし忘れる心配や、USBメモリーに入れた重要ファイルを紛失することもなくなる。筆者は、今書いているコラムの原稿など、進行中の仕事に関するファイルは全てDropboxで保存している。
作業ファイルの管理にDropboxが向いている理由は、更新履歴の管理が優秀なことと、ファイルの受け渡しが簡単にできるからだ。誤ってファイルを上書き保存したり、削除しても、Dropbox上に保存しておけば、過去に保存したファイルを復元できる。この復元機能によって、過去何度も助けられた。
Dropboxは誰かとファイルを共有するのにも使える。特にメールに添付して送るには容量が大きすぎるファイルを誰かに送るときに役立つ。筆者の場合は主に画像ファイルになるのだが、数十枚の画像をZIPファイルに圧縮したあと、Publicフォルダーへ移動させる。あとは同フォルダーへと移動したZIPファイルを右クリック、Dropboxメニューから「パブリックリンクのコピー」を実行する。コピーしたリンクを、メール本文に貼り付けて送るだけで、相手は自分のDropbox上からファイルをダウンロードできる。
出先で「ファイルを再送してほしい!」という電話がきてもDropboxなら大丈夫。スマホのDropboxアプリを使えば、Publicフォルダー以外に保存しているファイルも、共有設定ができて、すぐにファイルを相手に送れる。このほかDropboxと連携するスマホアプリも多く、何かと役に立つ。必ず導入したいクラウドサービスだ。
名刺管理や経費管理…大事な記録はEvernoteに!
定番クラウドサービスの中で、どう使ってよいのか悩むのが「Evernote」だ。簡単なテキストメモをはじめ、音声、画像、文書などあらゆるファイルを保存できる。このため何を保存していくかがポイントになる。
本コラムでは、作業が終わったらファイルをDropboxからEvernoteへと移して管理する方法(関連記事)、Twitterのつぶやきを1日単位でまとめて管理する方法(関連記事)、さらには、支出管理をEvernoteで管理する方法(関連記事)などを提案してきた。どれか1つでも取り入れてみると、データベースの代わりになるEvernoteの魅力が分かるはずだ。
ビジネスパーソンであれば、名刺管理にもEvernoteを活用したい。名刺管理用のノートブックを作り、ドキュメントスキャナーかスマホのカメラで撮影した名刺をEvernoteへ保存する。スマホでは「Bizcaroid」のように、Evernoteと連携した名刺管理アプリもたくさんある。一度取り込めば、パソコンやスマホでいつでもどこでも名刺を検索できる。名刺は、どんどんたまっていくため、もらったその日にEvernoteへ取り込むクセを付けると良いだろう。
仕事とプレイベートの予定はGoogleカレンダーで一元管理
スケジュールの管理はビジネスパーソンにとって避けては通れないものだ。仕事の予定はもちろん、プライベートの予定も一括で管理するなら「Googleカレンダー」がオススメ。Gmail同様、クラウド上で予定を管理できれば、インターネットに接続する全てのパソコンからいつでも予定の確認、追加、変更ができる。
予定の管理というと、手軽さとメモの取りやすさから、手帳を利用する人も多い。確かにパソコンでGoogleカレンダーを使う分には不便を感じることもある。でも、スマホが普及して状況が変わってきた。Googleカレンダーを使うメリットは、スマホと連携しやすいことだ。いつでも手元にあるスマホなら、すぐに予定が確認できて、複数の人とスケジュールを共有できる。
iPhoneの場合は、Exchange機能でGoogleアカウントを登録するだけで、標準のカレンダーアプリにGoogleカレンダーの予定を取り込める。最新の「iPhone 4S」なら、日本語対応した「Siri」を使って、声でカレンダーの追加や変更が可能だ(関連記事)。
Androidなら「ジョルテ」という無料のアプリが定番。ガジェット機能を使い、ホーム画面に月間予定表を表示できる。
情報収集にはRSSとGoogleリーダーを使う
ニュースや最新の情報をスマートに入手するのも新社会人には大切だ。ここでもグーグルの「Googleリーダー」を活用したい。ニュースサイトやブログなどが記事を更新した際に送信する「フィード」(RSS)を受信するRSSリーダーサービスだ。例えば、日経トレンディネットなら全ての新着記事を通知する「総合RSS」、デジタルやトレンドなどのジャンル別RSSなどを公開している(日経トレンディネットのRSS)。こうしたRSSをGoogleリーダーに登録することで、記事チェックの時間が大幅に短縮できる。
Googleリーダーへの登録は、Chromeの拡張機能「Chrome Reader」を利用しよう。RSSを提供するサイトを開くと、アドレスバーにRSSアイコンが表示される。このアイコンをクリックするだけで、GoogleリーダーにRSSを登録できる。内容別にRSSを分類しておくと、あとで記事が確認しやすい。
登録したRSSは、通勤時にスマホを使ってチェックする。Androidなら「NewsRob」、iPhoneなら「Reeder」といったRSSリーダーアプリが定番だ。記事チェックのコツは、気になった記事に対して「スター」を付けておくこと。これで、あとから記事を探しやすくなる。慣れてくると、30分ほどの移動時間に何百というニュースの見出しチェックをできるはずだ。
原 如宏(はら ゆきひろ)パソコンから食べ物まで、ジャンルにこだわらず手がけるライター界のなんでも屋。モバイルノート&iPadをカバンに入れ、365日都内のカフェを巡りながら執筆活動を続けている。主な連載はYomiuri Onlineの「トラブル解決Q&A」やフロム・ナウ「ライターHの“デジモノ放談”」など。Twitterの公式アカウント(@raitanohara)にて、最新のクラウドサービスや機器のテスト状況、さらには記事の後日談などをつぶやき中。